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祝🐍巳年 切り絵動画 ヤマタノオロチ  Happy New Year of Snake Recitation Film"Kojiki (Ancient Japanese Legends),Yamatano-orochi-The Eight-Headed Serpent"" 

  昨年末、突然、腰痛に見舞われた。慣れぬ庭作業で歩行困難に。起床時などは着替えさえ出来なかった。それが始まったのが、ちょうどこの朗読動画に着手した頃である。 「蛇(オロチ)が降りてきた!」  これは退治せねば、と、三週間の格闘と度重なる「書き出し失敗」の末、完成したのが正月二日だった。お陰で、現在はなんとか歩けるまでに痛みは緩和している。悠久の魂魄が息づく神話と対峙するのは容易でない。恐るべし「言霊」である。 At the end of last year, I was suddenly struck by lower back pain. Unfamiliar garden work left me unable to walk. At times, like when getting up in the morning, I couldn’t even get dressed. This all began right around the time I started working on this reading video. “The serpent (Orochi) has descended!” I thought, I must vanquish it. After three weeks of struggle and countless "export failures," I finally completed it on January 2nd. Thanks to that, the pain has now eased to the point where I can walk somehow. Facing myths where eternal spirits reside is no easy task. The power of "kotodama" (the spirit of words) is truly fearsome. 太鼓朗読 古事記「八俣の大蛇」 Taiko Recitation: Kojiki "Yamata no Orochi–The 8-Headed Serpent" JPN Read/ENG Subs

(詩)盆の仏





フードコートに
仏がいた
四人掛けテーブルの仕切り側
向かいに孫らしき男の子が
ポケットゲームに夢中
その隣りが空席で
重いリュックを下ろしながら腰掛けると
肥満気味の七十仏が
背凭れに踏ん反り返ったまま
片手で蝿でも払うように
「にいさん、そこ、おる。おる」と
私をしきりに扇ぐ
「にいさん。そこ、おる、おる」ーー
さすがに「退け!」とは言わぬが
迷惑げに振る手がそう命じていて
優しい私は睨み返しつつ立ち上がり
合掌した

折りしも時刻はランチ・タイム
なかなか席が見つからない
窓際のカウンターを探すが
若い母親が隣におねんね中の赤子
その隣にブランケットやぬいぐるみ
食事するのは彼女だけというのに
三人分の椅子を占有
女仏に合掌しつつ奥へ進むと
またもゲーム男児の横が空席
ほっとひと息つきつつ座ると
いきなり彼がゲームから頭を起こすと
鄭重な口調で先客の存在を告げる
さっきの老仏より余程礼儀を弁えていたが

それにしても
公共のスペースで席の確保を訴えるのは
どうにも腑に落ちない
その隣りに黙して座していた
父親か祖父らしきに
聞こえよがしの嫌味を吐きつつ
二人に合掌を返す
悔しさに「南無」なのだ

おう
ラーメン、丼、バーガー、ドーナツ・スタンドに
温和しく立ち並ぶ盆休みの仏らよ
そのお慈悲を内輪にだけとどめるというのは
貴殿らが軽侮する政治家先生同様
偽善ではあるまいか

もっとも
重い荷を背負い席を探す哀れな部外者も
貴殿らと同様の仏なのだと
認めようとなさらぬなら別だが……

【詩】→「No Hell Show」
   →「洗濯おばさん」

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