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【葉隠ロック】今や「おとぎばなし」の観だからこそ。。。

”Today is the first day of the rest of your life.”(今日、という日は残りの人生の最初の日/チャールズ・ディードリッヒ  Charles Dederich) 「いつやるか?今でしょ」(林修) 「毎朝、毎夕、改めては死ぬ死ぬと、常住死身に成つてゐるときは、武道に自由を得、一生落度なく、家職を仕果すべきなり」(山本常朝)  最後は『葉隠』からの引用。  これを書いている現在、中東で戦争が続いている。一方、我が平和国家・日本はその報道と並んで、大谷翔平を筆頭に大リーガーが活躍中のWBCニュースに沸いている(ようだ)。  球宴も武士道も、もはやスタンドから眺める「おとぎばなし」なのかも知れない。。。 ************************************************** “Today is the first day of the rest of your life.” — Charles Dederich “When will you do it? Now.” — Osamu Hayashi “Each morning and each evening, if one renews the thought of death and lives as though already dead, he gains freedom in the Way of the Samurai and, throughout his life, will carry out his duty without fault.” — Yamamoto Tsunetomo The last quotation is from "Hagakure."     As I write this, war continues in the Middle East. Meanwhile, in my peaceful country of Japan, the news is filled—alongside those reports—with excitement over the World Baseball Classic, where Major League players led by Sh...

【逸脱も楽しかりけりゲンダイシ】 〜平川綾真智 『ごきげん中飛車の授乳』(「オオカミアンソロジー2019年」所収)を読んで


「色々取り入れた作品なので、ご自由にお読み下さい」ーー。
 繰り返し読んだ。棋譜を傍らに、符号を確認しつつ読んだりもした。ひょっとして、それらの位置を線で結べば文字になり、読み解けるのでは、などとーー。

 が、松本清張(『点と線』)ではあるまいし、そんな安っぽいミステリーを大兄が物すはずない。しかし、分かりたい。ああ、もう恥も外聞も捨てて、尋ねるしかない!ーと意を決して助言を求めた際のご回答が冒頭であった。

 以前、平川氏の作品を「面白いぞ!現代詩」というWeb(ツイッター)で拝読した。それはエロチシズムに満ちた、ちょっとキケンな印象の内容と記憶している。それはエログロ趣向の私にヒットした。平川氏とは、前年秋のポエトリースラム福岡で初めてお会いした。私のいささかヤバい朗読に、身の余る感想を頂いた。そうしたご縁もあり、今回のアンソロジーをツイッターで知り、購読に至ったわけである。

 さあ、今度はどんなエロスが繰り出されるだろう、とワクワクしつつページを開いた瞬間、面食らった。

乳房を露わにしたツノ銀中飛車が、うちに泊まりに来て△5四歩が食べたり飲んだり、たいして生えてもいない通算15期名人獲得を剃ろうーー(本作冒頭、引用)

 うぬぬ???ーー小学4年で将棋をやめてしまっていた私は、しかし、「乳房」だの「剃る」だのと言った、ちょっとヤラシイ単語に惹かれて、「ツノ銀」云々を調べてみる。と、その陣形は確かに両ツノが尖ったような形で、乳房露わな女に見えなくもない。。。

 と、まあ、そんなアンバイで読み進めることになった。タイトルの「授乳」を頼りに、駒や実在の棋士や陣形(タイトルの「ごきげん中飛車」もその一つ)を人物と見做して再婚(らしき)ドラマを辿る。未熟児、保育園……。実に現代的な生活臭が盤上に匂い立ってくる。肌、豊胸……は、エロ黒い同志(失礼)のキーワードだ。萌える!!

 ことわっておくが、これはあくまで私の読みかたである。「ご自由に」とのお許しあっての、楽しみ。そもそも、詩人に詩の解釈を尋ねること自体が野暮なこと。「国語」のテストじゃないのだ。

 何だか、レビュー以前のようで、お恥ずかしいばかり。それゆえ、現在(いま)も折に触れ読み返している。謎が謎を呼ぶーーというか、噛めば噛むほど新たな別の味が発見出来る快感? 丁度、ピカソやダリの抽象画を前にしたような、無視しようにも無視出来ぬザワメキ。アンソロジーの他作品が明確な場面設定と感傷味で書かれている印象のなか、この詩は確かに一見難解ながらも、その奇抜さが却って悪魔的魅惑を殊の外放っている。現代詩マニアは、このモニター(Kindle)の上に鼻血の花弁を「逸脱」することだろう!


 逸脱も楽しかりけりゲンダイシ



  


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