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祝🐍巳年 切り絵動画 ヤマタノオロチ  Happy New Year of Snake Recitation Film"Kojiki (Ancient Japanese Legends),Yamatano-orochi-The Eight-Headed Serpent"" 

  昨年末、突然、腰痛に見舞われた。慣れぬ庭作業で歩行困難に。起床時などは着替えさえ出来なかった。それが始まったのが、ちょうどこの朗読動画に着手した頃である。 「蛇(オロチ)が降りてきた!」  これは退治せねば、と、三週間の格闘と度重なる「書き出し失敗」の末、完成したのが正月二日だった。お陰で、現在はなんとか歩けるまでに痛みは緩和している。悠久の魂魄が息づく神話と対峙するのは容易でない。恐るべし「言霊」である。 At the end of last year, I was suddenly struck by lower back pain. Unfamiliar garden work left me unable to walk. At times, like when getting up in the morning, I couldn’t even get dressed. This all began right around the time I started working on this reading video. “The serpent (Orochi) has descended!” I thought, I must vanquish it. After three weeks of struggle and countless "export failures," I finally completed it on January 2nd. Thanks to that, the pain has now eased to the point where I can walk somehow. Facing myths where eternal spirits reside is no easy task. The power of "kotodama" (the spirit of words) is truly fearsome. 太鼓朗読 古事記「八俣の大蛇」 Taiko Recitation: Kojiki "Yamata no Orochi–The 8-Headed Serpent" JPN Read/ENG Subs

ポエトリー・スラム福岡(参戦記)

(ポエトリー・スラム福岡 バトラー&スタッフ 於:箱崎水族館喫茶室 10月19日)



タフな闘(バトル)

19日(土)が大会日だったから
既に四日が経つ。

実にタフなバトルだった。
というのも
対戦朗読は十年以上ぶりで
緊張は半端なかった。
準備も十月に入って本格的に始めた。

小生は原稿を持たない。
世界大会の出場者たちがほぼ暗唱している。
それに倣ってのこともあるが
ポイパを取り入れての朗読が小生の売りゆえ
原稿はパフォーマンスに邪魔なのだ
だから
完全に頭に入るまで稽古を繰り返す。
小スタジオまで借りて
練り上げて行く。
まさに舞台に臨む役者であった。

だから
なかなか他事が手につかぬ
性格も不器用ゆえ尚更だ。
余りに根詰めて
「早く終わって欲しい」という気持ちが湧く。
緊張と闘志が加熱して
本番二日前からまんじりともしなかった。

当日の午前中も
一時間スタジオで稽古。
完璧に仕上げた。
既定の三分いっぱいに読めた。
さて
会場へは軽自動車で向かう。
それが想定外の渋滞。
車中でも稽古して
何とか間に合う。

さあ、本番。
四人一組での対戦。
小生はBグループのトップ。
名前を呼ばれるまで
二つのうちのどちらか迷う。

結局、十年前のオハコの代わりに
新作で挑んだ。
がーー

中盤で飛んだのだ。
二週間前から
完璧に読めていたのが飛んだ。
腰砕けである。
どういうことだ。
口が勝手に取り繕っていた。
手垢のついた言葉を発していた。
自分の耳で聴きながら愕然とした。

が、その落胆が逆に
ラスト・スパートを間違いなく暗唱させた。
いや。
「暗唱」というようなものでなく
まさにタイトルどおりの「AI」の如く
小生はイケナイ兵(つわもの)に憑依され
一刀を絶叫しつつ振り下ろしていたのである・・・。

悄然と席へ戻る。
ああ、これで稽古しなくて済む。
ゆっくり眠れるーー。

「敗者復活」に軽い期待はあった。
が、
満足いかなかった朗読である。
「どうでもいい」という気持ちがまさっていた。
案の定、復活はならず
最初で最後の小生のスラムは終わった。
燃え尽きた。


卓越した朗読者

優勝は神保茂氏。
大きなジェスチャーもない。
声を荒げることもない。
淡々と
黒革表紙の詩集を
それこそ「聖書を読み聞かす司祭」の如く読む。
スポットライトがその雰囲気を際立たせる。
気付いたら小生は
皮肉と諧謔に満ちた終末論の信者になっていたーー。

ラッパーやシンガーのパフォーマンスも
熱烈だった。
体力気力が喪失していたため
個々を語れぬのが申し訳ない限り。
しかしながら
一同の発する言葉は
美辞麗句でも
巧妙なレトリックでもない
素顔の生々しさが煌めいていて
そのシャワーに圧倒される思いであった。
いい意味で
グッタリしたーー。
(懇親会へは行けなかった)


これからのこと

話を小生自身に戻す。
バトルは一回戦敗退だったが
村田代表に過分のお言葉を頂き
(「タダモノじゃない」?!)
多くの詩友にも恵まれた。
孤独な創作と稽古の日々がもたらしてくれた
かけがえのない宝。
感謝に耐えない。

大会を終えて再考することーー
ライブは楽しいし好きでもある

前述の如く
不眠と疲弊をもたらす緊張が小生の場合、顕著
(小心者なのだ・・・)
そこで
これまで中途半端だった朗読動画を
しっかり制作していくべきではと
自省している。

今回のバトルで小生は
相当数の朗読を準備してきたし
稽古を積んできた。
それが一発でお蔵入りになるのも虚しい
そこで
「ポエトリースラムで読むはずだった」シリーズを
作っていこうかと考えている。

どこまで作れるか未知数。
しかし
とりあえず今回読んだものは
最初に作りたい。
何せ、途中で飛んだにもかかわらず
最高点が「9・5」
最低点が「6・5」という
賛否真っ二つの怪作???

バトルは終わったが
人生はまだまだ続く(ようだ)
「人生は短く、芸術は長し」だったか?
もっとも
小生の作品が「アート」とは呼び難いが
少なくとも創作は続けたい
眼病で光を失う恐怖もある
命が尽きるか
闇が先かの闘いと言ってもいい。
(カッコよ過ぎか?)

ジリ貧の甲斐性ナシが出来る唯一の営為ーー。
どうか
許してくれ!

ポエトリー・スラム、万歳!
芸術、万歳!
ぽえたく、万歳!

(昨日、即位正殿の儀が無事終わる)

※追記:得点が間違っていたら、ご指摘願う。

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