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【知恵こそ武器】ロック歌舞伎「勧進帳」  Wisdom Is the True Weapon — Rock Kabuki “Kanjinchō”

  かつて、戦争資料館の館長から聞いたエピソード。招集された市民が軍服を手渡され、着てみると小さく、交換を申し出ると「お前が軍服に合わせろ!」と怒鳴られたそうだ。  役所、役人というのはそういうものだろう。「勧進帳」(能「安宅」)は、そんな「人を肩に嵌めようとする権力」の計略を知恵で乗り切ろうとする痛快劇である。しかし、その機転と裁量は、ただ一日ぼうっと過ごして育まれるものではなかろう。権力の前で怯え、平伏し、従ってしまうのが常。だからこそ、弁慶のような智勇を兼ね備えた人物に、時代を超えた憧れを抱くのかも知れない。現代で言えば、大谷翔平だろうか。。。   「弁天小僧 菊之助」  に続くロック歌舞伎の第二弾。「大恩教主の秋の月」の季節ではないが、選挙が近いともあって、制作した「勧進帳」のように、投票用紙に自分の意見を書けば無効になる。「指定の名を」というのが権力側の意向。そこに民意が反映されるのか、、、いつもの疑問である。  Once, I heard an episode from the director of a war museum. Citizens who had been drafted were handed military uniforms. When one man tried his on, it was too small. He asked for a different size—and was shouted at: “Adjust yourself to the uniform!”  That, in essence, is how bureaucracies and officials tend to work.  Kanjinchō (from the Noh play Ataka ) is a rousing tale about overcoming exactly this kind of power—power that tries to force people to fit its mold—through wit and ingenuity. But such presence of mind and judgment are not cultivated by drifting through one’...

ポエトリー・スラム福岡(参戦記)

(ポエトリー・スラム福岡 バトラー&スタッフ 於:箱崎水族館喫茶室 10月19日)



タフな闘(バトル)

19日(土)が大会日だったから
既に四日が経つ。

実にタフなバトルだった。
というのも
対戦朗読は十年以上ぶりで
緊張は半端なかった。
準備も十月に入って本格的に始めた。

小生は原稿を持たない。
世界大会の出場者たちがほぼ暗唱している。
それに倣ってのこともあるが
ポイパを取り入れての朗読が小生の売りゆえ
原稿はパフォーマンスに邪魔なのだ
だから
完全に頭に入るまで稽古を繰り返す。
小スタジオまで借りて
練り上げて行く。
まさに舞台に臨む役者であった。

だから
なかなか他事が手につかぬ
性格も不器用ゆえ尚更だ。
余りに根詰めて
「早く終わって欲しい」という気持ちが湧く。
緊張と闘志が加熱して
本番二日前からまんじりともしなかった。

当日の午前中も
一時間スタジオで稽古。
完璧に仕上げた。
既定の三分いっぱいに読めた。
さて
会場へは軽自動車で向かう。
それが想定外の渋滞。
車中でも稽古して
何とか間に合う。

さあ、本番。
四人一組での対戦。
小生はBグループのトップ。
名前を呼ばれるまで
二つのうちのどちらか迷う。

結局、十年前のオハコの代わりに
新作で挑んだ。
がーー

中盤で飛んだのだ。
二週間前から
完璧に読めていたのが飛んだ。
腰砕けである。
どういうことだ。
口が勝手に取り繕っていた。
手垢のついた言葉を発していた。
自分の耳で聴きながら愕然とした。

が、その落胆が逆に
ラスト・スパートを間違いなく暗唱させた。
いや。
「暗唱」というようなものでなく
まさにタイトルどおりの「AI」の如く
小生はイケナイ兵(つわもの)に憑依され
一刀を絶叫しつつ振り下ろしていたのである・・・。

悄然と席へ戻る。
ああ、これで稽古しなくて済む。
ゆっくり眠れるーー。

「敗者復活」に軽い期待はあった。
が、
満足いかなかった朗読である。
「どうでもいい」という気持ちがまさっていた。
案の定、復活はならず
最初で最後の小生のスラムは終わった。
燃え尽きた。


卓越した朗読者

優勝は神保茂氏。
大きなジェスチャーもない。
声を荒げることもない。
淡々と
黒革表紙の詩集を
それこそ「聖書を読み聞かす司祭」の如く読む。
スポットライトがその雰囲気を際立たせる。
気付いたら小生は
皮肉と諧謔に満ちた終末論の信者になっていたーー。

ラッパーやシンガーのパフォーマンスも
熱烈だった。
体力気力が喪失していたため
個々を語れぬのが申し訳ない限り。
しかしながら
一同の発する言葉は
美辞麗句でも
巧妙なレトリックでもない
素顔の生々しさが煌めいていて
そのシャワーに圧倒される思いであった。
いい意味で
グッタリしたーー。
(懇親会へは行けなかった)


これからのこと

話を小生自身に戻す。
バトルは一回戦敗退だったが
村田代表に過分のお言葉を頂き
(「タダモノじゃない」?!)
多くの詩友にも恵まれた。
孤独な創作と稽古の日々がもたらしてくれた
かけがえのない宝。
感謝に耐えない。

大会を終えて再考することーー
ライブは楽しいし好きでもある

前述の如く
不眠と疲弊をもたらす緊張が小生の場合、顕著
(小心者なのだ・・・)
そこで
これまで中途半端だった朗読動画を
しっかり制作していくべきではと
自省している。

今回のバトルで小生は
相当数の朗読を準備してきたし
稽古を積んできた。
それが一発でお蔵入りになるのも虚しい
そこで
「ポエトリースラムで読むはずだった」シリーズを
作っていこうかと考えている。

どこまで作れるか未知数。
しかし
とりあえず今回読んだものは
最初に作りたい。
何せ、途中で飛んだにもかかわらず
最高点が「9・5」
最低点が「6・5」という
賛否真っ二つの怪作???

バトルは終わったが
人生はまだまだ続く(ようだ)
「人生は短く、芸術は長し」だったか?
もっとも
小生の作品が「アート」とは呼び難いが
少なくとも創作は続けたい
眼病で光を失う恐怖もある
命が尽きるか
闇が先かの闘いと言ってもいい。
(カッコよ過ぎか?)

ジリ貧の甲斐性ナシが出来る唯一の営為ーー。
どうか
許してくれ!

ポエトリー・スラム、万歳!
芸術、万歳!
ぽえたく、万歳!

(昨日、即位正殿の儀が無事終わる)

※追記:得点が間違っていたら、ご指摘願う。

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