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【広島原爆の日に寄せて―山之口貘「鮪に鰯」をバラードに】For Hiroshima Day: Yamanokuchi Baku’s “Tuna and Sardine” as a Ballad

 山之口貘の、核兵器をめぐるシュールでシニカルな詩「鮪に鰯」を、バラードで朗唱した。 「鮪の刺身が食べたい」という、いかにも日常的な言葉から始まった詩は、やがて人間と鮪の境目を曖昧にし、地球を覆う戦争と核兵器の影へと広がっていく。  ユーモラスでありながら不穏。  素朴でありながら辛辣。  山之口貘の言葉には、声高に何かを訴えるのではなく、人間の欲望や矛盾を、少し離れた場所から静かに見つめるような冷徹さがある。その奇妙な詩世界を、今回は重く、どこか物悲しいバラードとして朗唱した。  映像では、鮪と爆弾が融合した異形の姿や、放射能によって崩れていく魚体などを用い、原詩に漂うグロテスクなユーモアと、核兵器の不条理を表現したつもり。  8月6日、広島原爆の日に寄せて公開。ご視聴いただければ幸いです。  I have turned Yamanokuchi Baku’s surreal and cynical poem about nuclear weapons, “Tuna and Sardine,” into a ballad.  The poem begins with an utterly ordinary remark: “I feel like having some tuna sashimi.” From there, however, the boundary between human beings and tuna gradually dissolves, and the poem expands toward the shadow cast over the earth by war and nuclear weapons.  Humorous, yet unsettling.  Simple, yet piercing.  Rather than raising its voice in protest, Baku’s poem seems to observe human desire and contradiction quietly, from a slight distance, with a certain cold clarity. I have tried to express that strange poetic world thro...

オーボエは「覚え(覚醒)」?! 唐十郎 デビュー作『24時53分(略)』 戯曲研修セミナー(講師 劇団GIGA 五味伸之) 1日目




戯曲研修セミナー
「声で観る演劇」講座が始まった。
講師は「空間再生事業 劇団GIGA」の五味伸之氏。

内容は(公式ツイッターによると)
目の見えない人に演劇を伝える「音声ガイド」の方法を使い
戯曲を音で立体化していきましょう。

以前、ワークショップを開いた時
受講者のひとりが目が見えず
それを機に「音声ガイド」のプロに学んで
実際の芝居を
視覚障害者にセリフや効果音だけでなく
ちょうど美術館や映画鑑賞の際の
「音声ガイド」のような解説をつける。

ただ、今回は演劇だから
解説し過ぎて
鑑賞者の想像力を削ぐようなことはしない
ト書きは
必要最小限の箇所のみ読むが
あとは役者の声だったり
SEだったりで
目の見えぬ人の脳内スクリーンに
立体的(まさに3D映画)な絵を見せる
そういう「声のみの劇」を
三日間で作って録音し
発表するのであるーー

台本は
唐十郎の1964年発表の処女作
『24時53分「塔の下」行きは竹早町の駄菓子屋の前で待っている』

いやぁ
既に天才!
半世紀前の戯曲だが
全く現在のことを言ってる
幻の「塔」
皆が幸せになれる(らしい)塔に向かって
人々が登ってゆく
それも
笑いながら落下するーー
強烈なアイロニー
前回の東京五輪に沸く日本への。。。

それから
この戯曲を選んだ講師
五味伸之氏の卓見!

認知症を疑わせる老人らのちぐはぐな会話
(昨日の「共話」を思わす。。。)
ひとり妄想にかられたような男による虐待
流行歌を思い出せずに繰り返す老婆と息子
塔への登攀中に突然ハイになる情緒不安定な兄ーー

そんな変人(常人?)らのオンパレードにあって
唯一、正気を保っているような妹が
兄が道を間違えないように注意する
オーボエを忘れないよう に吹きなさい、と。

その「オーボエ」が
この戯曲に一貫している「健忘」ーー
「輝かしい未来」の象徴たる「塔」へ
何の疑いもなく向かう民衆心理ーーから
「目覚めよ!」という暗喩ではないか

「覚醒」「目覚め」「覚え」ーー 「オーボエ」。。。

これ以上はネタバレになるから言えぬが
デビュー作だけに
あの赤テント的喧騒までには時間を要しそうな印象否めぬものの
不可解
不条理にして
緊張感漂う
現在にも稀な傑作に巻き込まれる幸運に感謝しつつ
本番まで駆け抜けるつもりである

(追記)
私は「老人A」をやってみたが
「とぼとぼ」というト書きを無視した
妙に押しの強い、五味氏言うところの「江戸っ子」風を
張り切って演じてしまったのが
今更ながら恥ずかしい。
それを
やさしい演出家も共演者も
ダメ出し一つしなかった。
もっとも
皆、初対面だったし
その遠慮もあったと思う
それをいいことに
「空気を読めぬ」性格を全開させてしまった(涙)。。。

優れた役者は自己アピールなどしないし
その必要もない
自らは「空っぽ」になり
「役」自体になるのだ
まさに「アクターズ・スタジオ」での
「スタニスラフスキー・メソッド」。
目が見えぬ、音声だけでの鑑賞者に
絵を見せるには
「俺が俺が」では務まらない。
この短い研修期間は
その辺りを(謙虚に!)
学ぼうと思う。



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