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【悲憤のシェイクスピア〜Sonnet 66をジャズで朗唱】 Indignant Shakespeare — Reciting Sonnet 66 in Jazz

  全てに疲れ切って……  400年前も現在も変わらぬ世情。加えて、酷暑(摂氏40℃)に迫る暑さがアパシーを増幅する。こうなると、もはや怒る気は失せ、気休めに吹き付ける微風に身を任せるように軽快なジャズ朗唱でも試みるか、と作ったのが、今回の「ジャズ・シェイクスピア ソネット66」。ご視聴頂ければ幸いです。 “Tir’d with all these...” The world, it seems, has changed little over the past four hundred years. And now, with the scorching heat approaching 40°C, even apathy grows heavier. At such a point, one no longer feels much like getting angry. Instead, as if surrendering oneself to a faint breeze blowing only for comfort, I found myself trying a light jazz recitation. That is how this piece, Jazz Shakespeare: Sonnet 66 , came into being. I hope you will enjoy it.

(詩)テセウスなわたし



わたしがやってきた
市民はその奇跡を喜んだ
すっかり沈没したと諦めていたのだ
市民はわたしを永遠に顕彰すべく
早速、修復に着手した
新たな材木が使われ
完成品は美しく輝いた
わたしは風呂上がりのような
爽快感に浸った


わたしの昔を愛する仲間たちは
それを「偽物」と称し
廃棄された木片で
元のわたしを創り直した
朽ちた観は否めぬが
「これこそ本当のわたし」と
旧友たちは歓呼し落涙した

わたしは戸惑った
たちまち違和感に襲われた
確かに新たなわたしは
インスタ映えして人気だったが
懐かしい友らに偽物呼ばわりされると
いい気はしなかった
そして
老いさらばえた二号のほうこそ
本物に見えてきた
わたしはどうすれば
古いほうへ乗り移れるか考えた


仮に乗り移れたとしても
あの朽ち樣から察して
そう長持ちしそうになかった
立派に頑健に再建されているこちらこそ
確かに部品は新品の別物だが
本物そっくりである
いや
むしろ細部まで職人の手によるものゆえ
本物以上に本物
ならば
下手に冒険に出て失敗するより
人気者にとどまっているほうが賢明なのでは……

わたしは
まるでこれ見よがしに並べれらた旧型を横目に
来る日も来る日も
不眠に苛まれている
ああ
誰かわたしを決めてくれ、とーー

 【詩】→「dis」

【参考文献】
※NHKラジオ第一「50分deオーディオブック〜耳から広がる本の世界〜」
第二回「仕事に役立つオーディブック」(7月30日放送)で紹介された
『論理的思考力を鍛える33の思考実験』北村良子著 彩図社 を参考にした


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