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【クリスマスは孔雀の聖歌で〜W.B.イェイツ「孔雀」】A poetry chant for Christmas Eve. “The Peacock” by W. B. Yeats

  本日はクリスマスイブ。七面鳥がふさわしいところだが、父親の県展入選の写真を使わせてもらうことにして、孔雀でお許しください。真っ白の羽の孔雀だが、動画制作中、彩色の誘惑に駆られ、ヴィジュアルに傾いてしまった。まあ、クリスマスでもあるし、美を意識してのこととご勘弁ください。 戦後80年も、残すところ一週間。戦闘機の代わりに「熊」が襲来する一年だった。来年こそ、まともな年になりますように。。。    動画の詩「孔雀」は、W .B.イエーツ、中期の詩集「レスポンシビリティーズ」所収。世俗的な富より美こそ、と謳う。グレゴリオ聖歌などとても歌えないが、たまには美しいものを、と原文の美麗さに乗って口ずさんだもの。お気に召していただければ幸い。  Today is Christmas Eve.  A turkey would be more appropriate, perhaps, but instead I have borrowed a photograph by my father—one that was once selected for a prefectural exhibition—and ask your forgiveness for presenting a peacock instead. This peacock, with its pure white feathers, was meant to remain unadorned. Yet during the process of making the video, I found myself tempted by color, and the work gradually leaned toward the visual. Since it is Christmas, I hope you will allow this indulgence as an offering to beauty.  Eighty years since the end of the war, with only one week left in the year. It has been a year in which “bears,” rather than fighter jets, came ru...

【雨夜の品定め】殿方(とのがた)の身勝手な女性観 冷徹な紫式部の観察眼 谷崎潤一郎訳『源氏物語』(帚木)から

  梅雨入り前の爽やかな時節、四人の殿方が身勝手な女性観を展開させる(源氏を除いて?)、『源氏物語』第二帖「帚木」(谷崎潤一郎訳)に「五月(さつき)の長雨」とあり、カレンダーも丁度この月ということで、この笑えるポリフォニックな場面を朗読してみた。


源氏「何に基づいて上中下の三つに分けるべきだろう」

頭中将「心に叶う女というものは得がたいもの」

藤式部丞「学問もなし、才能もない女だと、一方では思いながら、ただ何となく気に入って宿世(すくせ)の縁に引きずられて行く」

左馬頭「男でも女でも、下司(げす)な人間ほど、自分の持っている僅かな知識を残らず外へ見せ尽くそうとします」

『谷崎潤一郎全集』第27巻(中央公論社刊)より


 ショパンの前奏曲「雨だれ」(MIDI演奏)と共に、雨夜のひとときをお楽しみください。









千年以上も前に、ポリフォニー(多声)の劇的描写が見事に展開されている『源氏物語』中の、笑える、というより考えさせられる場面〜「雨夜の品定め」に、

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