【冒頭注記】
当手記はあくまで
筆者自身が自分勝手に受けて、抱いた感情である
日記なるものは大抵、そういう色彩のものだが
もし
この内容に対し
「それは誤解だ」といった点があれば申し出て欲しい
この感情の原因が
筆者自身の間違いの可能性も無きにしも非ずだからだ
(そうだと、絶望的に信じたい)
ぽえたQ
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例えば
推しメン目当てに最前席が取れて
「さあ、あの幻想の恋人の太腿を瞼に焼き付けるぞ!」と意気込み
手を伸ばせばマイクが握れるほどの位置で
彼女の出番を待ってる、とするーー
しか〜し!
出てきたのは
そんなセクシー・キュートな「心の恋人」などではなく
それとは真逆の
女を捨てたかのごときオゲレツ極まるお笑い芸人
それでもプロ根性剥き出しに
ぷるぷる二の腕、大根脚に汗光らせ必死のパフォーマンス
それがお目当てと違う最前客は
却って熱苦しいばかりか
心で「いい加減にしろ! 消えろ! どけ!」と
ありったけの罵倒を繰り返す
それでも精力と時間いっぱいに繰り広げられる演技は終わりそうになく
「あ〜あ」とうつむく
う・つ・む・くっ!
昨日(2月16日)の俺がその「芸人」だった
俺はあの悪夢の長編朗読同様
(しかし、今回はその5分の1の持ち時間だ!)
手間取るタブレット設置から
何とか動画とともに読み始めて
三、四節くらいだった(と思う)
もっとも、今回が「お能」を下敷きにした古文だし
タブレット自体も小さいから
そこに繰り出される詞章を目で追うのは厳しいものがあり
そのことを前置きはした
が、だ!
最前氏は「ちっ。見えねえよ」とでも言いたげに
うつむいた
しかし
それは当然のこと
なぜなら
手を伸ばせば届く距離で動画がチラチラし
しかも流れる文字は小さくて読みづらい
おまけに
本来は心鎮まる詩の朗読を聞きたいところを
こんな「熱苦しい三文芝居」を
これまた「素人が必死で作った感満載のアニメ」とともに
こちらへ迫ってくるごとく見せつけられるのだから
顔を上げて直視などしてはとてもいられない
(俺も逆の立場なら、そうだろう。。。)
それゆえ
俺はこれまで制作に傾注した二十日余り労力と
来場してくれた劇友のことも思って
旅役者と老婆の二役を
劇画的口調とは裏腹の冷静さを努めて保ち
演じ続けた
「お能だって、立派な詩劇なのだ」とーー
が、が、が、が。。。
冒頭の印象を拭うことはちょっと出来なかった
あの「悪夢の夜」のごとく
「腕を伸ばせば届く距離氏」は
「頼むから、もうやめてくれ」と言いたげな
ウンザリうつむき&首振り
で涙ぐましいヘタウマ(ウマは捨てていい)動画と
マイク不要な大声を受け止め続けてくださったからだ。
が、それは今考えると、
俺の大きな勘違いだった(と、お利口ちゃん的に思いたい!)
俺はこの日
一番手に指名されたのだった
呼ばれて慌てた
が
これはある意味「ラッキー」でもあった
というのも
「動画に合わせての演劇的朗読」ってのは
「今日、こんな気分なんで、これ読みます」と
スマホ注視(それゆえ、場内を見回すことなど出来やしないし、その気もない)
のササヤキというわけにはゆかない
見てるほうが恥ずかしくなるような中途半端な芝居なんかも
ひーひー唸りつつ作った動画を台無しにしてしまう
ゆえに
獲物を狙う猛獣のごとき意気込みで毎回臨むーー
それが俺の流儀なのだ
だから
もし一番でなければ
呼び出しを食らうまで
他者の朗読など上の空に
原稿とタブレットをチェックしていたことだろう
そうなのだ
間違えてはいけないのは
この朗読会は「オープンマイク」
誰でも、どんな手法でも、持ち時間内ならなんでもどうぞ、の集いである
決して決して
ワンマンショーではないのだ!
だから、である
俺は前回の別地同様
うつむかれようと
鼻であしらわれようと
中座
罵倒
スマホいじりされようと
それに耐え忍んで朗読続行せねばならなかったのだ!
それを、俺と来たら
確かにかつてユニットを
EXILE気取りに組んで入場料を取っていた過去の栄光
から解き放たれず
「この野郎! こんなに人が必死こいて読んでんのに
なに、お愛想程度のチラ見だけして原稿チェックしてんだ!」と
憤怒と怨念を滾らせ読み進めたのだった
折しも朗読は「鬼女」のシーンに入っていて
これも「悪夢の夜」と同様
そのキャラクターに託すがごとく
ドス黒い気炎が五体から沸き立つのを自分でも感じていた
だからだ
それが余計に
俺のごとき朗読(朗読者)が苦手、嫌悪、侮蔑する輩にとっては
耐え難き地獄
であり
もはや「すぴんおふ能」などと銘打ちながら
結局は「オゲレツ低俗幼稚な猿芝居じゃねえか!」と
耳に心の栓を詰め込み
「この『福ポエ』の雰囲気を掻き乱すクサレ劇の後始末を
クールーでお洒落で上品な読み物で清めよう」と
その演出を頭に巡らす
そしてそれは
簡潔で物腰穏やかな朗読で成功したのだったーー
つらつら、と愚痴ってしまった
ネガなことばかり綴って申し訳ない
ただ
昨日の会では
新たに五人の詩友からフォローを賜ることとなった
「ポエトリースラム」福岡で共に闘った戦友
俺のササクレだった心を
その穏やかな旋律で優しく和らげてくれた楽友
また
劇友も計二人駆けつけてくれた
昨年末に出会った新しい絆だ
今回の演劇的朗読はそんな彼らを意識してのものでもあった
夏っちゃんは神保堂に「行けたら」と言ってくれた
そして帰り際は
その詩と共にクールなミッドが「気をつけて」と有り難き声かけまでしてくれた
「ああ、俺には多くの友がいるじゃねえか」などと
自分勝手に
寒風吹き荒ぶ天神の夜空へ
柄にもなく感慨深げな吐息を吐いた
思えば
「最前氏」にしても
俺の憤懣怨念が謂れなきものだったとして
例えば、目を向けてもらいたければ、
大声ではなく
むしろビリー・アイリッシュのごときササヤキ・トイキ、、、といった
学ぶべきことも多々だったという点で
吉川英治の名言のごとく「我以外、我が師」と
感謝すべきなのである
【追記】
その曰く付きの今回の新作をご覧あれ!
朗読時では読めなかったであろう細かい芸が満載なんだから!
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