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【クリスマスは孔雀の聖歌で〜W.B.イェイツ「孔雀」】A poetry chant for Christmas Eve. “The Peacock” by W. B. Yeats

  本日はクリスマスイブ。七面鳥がふさわしいところだが、父親の県展入選の写真を使わせてもらうことにして、孔雀でお許しください。真っ白の羽の孔雀だが、動画制作中、彩色の誘惑に駆られ、ヴィジュアルに傾いてしまった。まあ、クリスマスでもあるし、美を意識してのこととご勘弁ください。 戦後80年も、残すところ一週間。戦闘機の代わりに「熊」が襲来する一年だった。来年こそ、まともな年になりますように。。。    動画の詩「孔雀」は、W .B.イエーツ、中期の詩集「レスポンシビリティーズ」所収。世俗的な富より美こそ、と謳う。グレゴリオ聖歌などとても歌えないが、たまには美しいものを、と原文の美麗さに乗って口ずさんだもの。お気に召していただければ幸い。  Today is Christmas Eve.  A turkey would be more appropriate, perhaps, but instead I have borrowed a photograph by my father—one that was once selected for a prefectural exhibition—and ask your forgiveness for presenting a peacock instead. This peacock, with its pure white feathers, was meant to remain unadorned. Yet during the process of making the video, I found myself tempted by color, and the work gradually leaned toward the visual. Since it is Christmas, I hope you will allow this indulgence as an offering to beauty.  Eighty years since the end of the war, with only one week left in the year. It has been a year in which “bears,” rather than fighter jets, came ru...

昨日ここと(不審なおっさん)

昨日、午前十時過ぎ
祖父の祥月命日で参拝に出た矢先
車を露地から広い車道へ右折した瞬間
前を通過した老夫が踵を返して
我が家の方へ曲がった。

怪しい。
一旦バックして彼を追い路地へ
我が家を通過し
突き当たりのT字を左折したところで
彼の横に停止して声をかけた。

すると、だ。
それまで猫背で陰険な雰囲気を醸していた
七十年輩が
凄まじい勢いで運転席の窓へと回ってきて
怒鳴り返してきたのだ。

「人を泥棒呼ばわりしやがって!」ーー

待て待て。
確かに不審な口調は悪かったかも知れぬ。
が、だ。
私が車を広い道へ出した瞬間
踵を返して我が家へ曲がって行った。
どう見ても「空き巣」と疑われて已を得まい。
それで敢えてお伺いしただけである。
それを
噛みつかんばかりの怒号で詰め寄ってきた。

サングラスに黒いキャップの老年は
歪んだ唇に前歯が欠けて
見るからに不気味でもあった。
路地に曲がるというのは
そこの住民以外
余程の用がない限り踏み入らない狭い路である。
ドライブレコーダーが作動していたから
確認は出来るが
二度と見たくない絵図ーー

こうした
孤独で怪しげな中年男らを
短編集に描いてみたくなった。
嗚呼、
男というのは
老いると
どうしてかくも醜くなるのかーー

ノーベル賞を受けても尚
研究に邁進する老賢者もいれば
朝から晩までテレビ漬けの
「万年平社員」みたいなのもいる。
本年の「流行語大賞」に
去年の「オブジーボ」もそうだが
「リチウム電池」も入っていない。
「人生100年時代」の我が国は
知性より
痴性がどうやら尊ばれるようだ。

昨日の老爺の
思い出したくもない罵言とともに
情けなき正体は
そんなところにも現れるようである。。。




















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