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祝🐍巳年 切り絵動画 ヤマタノオロチ  Happy New Year of Snake Recitation Film"Kojiki (Ancient Japanese Legends),Yamatano-orochi-The Eight-Headed Serpent"" 

  昨年末、突然、腰痛に見舞われた。慣れぬ庭作業で歩行困難に。起床時などは着替えさえ出来なかった。それが始まったのが、ちょうどこの朗読動画に着手した頃である。 「蛇(オロチ)が降りてきた!」  これは退治せねば、と、三週間の格闘と度重なる「書き出し失敗」の末、完成したのが正月二日だった。お陰で、現在はなんとか歩けるまでに痛みは緩和している。悠久の魂魄が息づく神話と対峙するのは容易でない。恐るべし「言霊」である。 At the end of last year, I was suddenly struck by lower back pain. Unfamiliar garden work left me unable to walk. At times, like when getting up in the morning, I couldn’t even get dressed. This all began right around the time I started working on this reading video. “The serpent (Orochi) has descended!” I thought, I must vanquish it. After three weeks of struggle and countless "export failures," I finally completed it on January 2nd. Thanks to that, the pain has now eased to the point where I can walk somehow. Facing myths where eternal spirits reside is no easy task. The power of "kotodama" (the spirit of words) is truly fearsome. 太鼓朗読 古事記「八俣の大蛇」 Taiko Recitation: Kojiki "Yamata no Orochi–The 8-Headed Serpent" JPN Read/ENG Subs

(書評)エリアーデ「若さなき若さ」(『コッポラの胡蝶の夢』原作)を読む



読了の前
Twitterに
落雷を受けて燃えている幹の動画を見ていた。
裂け目にオレンジ色の炎が燃え続けている。
燃え立つ内臓のようだ。
合成動画でも見ている錯覚を抱いた。

エリアーデの「若さなき若さ」も
落雷を受けて寿命を得るーー
というより、夢想に包まれる。
メタフィクショナルな奇譚。
(『エリアーデ幻想小説全集 3』作品社刊)
その最終章も落雷のシーンが語られる。
さっきPCで見た動画と重なる。
その一致にいささか怖気を覚えつつ
スローな読書が
途中、ポエトリースラムを挟んで
ようやく了る。

読むきっかけは
コッポラが選んだ小説と知ったからだった。
映画は観ていない。
ただ
「胡蝶の夢」のテーマ自体
小生には魅力的だったから
巨匠の目に誘われるように紐解いてみた。

未来を知ることの孤独ーー

戦争だの諍いだのは
ひょっとして
それらを紛らすための
苦し紛れの戯れなのか。
老巨匠の臭覚を働かせてやまぬのが
分かる気がする。
『地獄の黙示録』といい
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』といい
悲劇を描かせたら沙翁と並ぶ天才は
憂鬱の王様である。

短編というには重く長い怪作
慰安も癒しもないが
妙にカタルシスを覚える。
「胡蝶の夢」は荘子の説話
エリアーデの主人公は稀代の言語学者ゆえ
当然それを知っていて
落雷に見舞われて以降の「若返り」を
それとなぞらえる。

悠久の歴史と
遠大な宇宙から我が身を鳥瞰すると
「たかが人生」と肩の荷が下りる
それがひょっとして
カタルシスなのかも知れないーー。


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