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【知恵こそ武器】ロック歌舞伎「勧進帳」  Wisdom Is the True Weapon — Rock Kabuki “Kanjinchō”

  かつて、戦争資料館の館長から聞いたエピソード。招集された市民が軍服を手渡され、着てみると小さく、交換を申し出ると「お前が軍服に合わせろ!」と怒鳴られたそうだ。  役所、役人というのはそういうものだろう。「勧進帳」(能「安宅」)は、そんな「人を肩に嵌めようとする権力」の計略を知恵で乗り切ろうとする痛快劇である。しかし、その機転と裁量は、ただ一日ぼうっと過ごして育まれるものではなかろう。権力の前で怯え、平伏し、従ってしまうのが常。だからこそ、弁慶のような智勇を兼ね備えた人物に、時代を超えた憧れを抱くのかも知れない。現代で言えば、大谷翔平だろうか。。。   「弁天小僧 菊之助」  に続くロック歌舞伎の第二弾。「大恩教主の秋の月」の季節ではないが、選挙が近いともあって、制作した「勧進帳」のように、投票用紙に自分の意見を書けば無効になる。「指定の名を」というのが権力側の意向。そこに民意が反映されるのか、、、いつもの疑問である。  Once, I heard an episode from the director of a war museum. Citizens who had been drafted were handed military uniforms. When one man tried his on, it was too small. He asked for a different size—and was shouted at: “Adjust yourself to the uniform!”  That, in essence, is how bureaucracies and officials tend to work.  Kanjinchō (from the Noh play Ataka ) is a rousing tale about overcoming exactly this kind of power—power that tries to force people to fit its mold—through wit and ingenuity. But such presence of mind and judgment are not cultivated by drifting through one’...

詩「あいにく」




「あいにくの雨」と
お天気おネエさんはいいます
「あいにく」って
「生きるのが憎い」と
書くんですね
そんなに雨って
憎らしいですか?

あたしは逆で
雨だと
必ず河童さんに会えるから
好きです
誰もいない河原へ
「会いに行く」のです

河童さんは
漂流物を楽器にして
即興演奏してくれます
片目に眼帯のあたしは
(ものもらい、なのです)
そのクセナキス 張りの超絶技巧に合わせて
舞踏を披露します
服が濡れてもへっちゃらです
あたしは雨の中
全身から湯気を上げつつ
乱舞します
ヤなことが全部消えます
そのうち
踊ってるあたしも消えます
そこだけ
飛沫の柱が回転し
竜巻となって
天と地を結びます
そのエネルギーたるや
地球を貫きそうなほど

季節があるのは
軸が少し傾いてるからと
理科の授業で教わりました
傾いてていいんです
真っ直ぐでなくたっていいんです
妙に優しくなくても
昨夜は塾で
「インギンブレー」を学びました
丁寧過ぎてかえって失礼という意味らしい
そうです
毎日、晴れてたら
地球に無礼です
草や木が育たない
人間だってそうです
ずっと晴れが続いたら
ひと雨欲しいって言います
まったく都合がいいのです

そんなおとなを吹き飛ばしたくて
あたしは無礼をやるのです
裸足で雨の中を
「ダメ」と言われてる河原で
竜巻になるのです
インギンブレーの礼服は
カモメの翼に飛び去り
透明で巨大な三つ編みと化して
天地を結ぶ
「水兵リーベ僕の船」を
遥か眼下に見下ろしつつ
ガイアのあたしは
河童さんの鼓動のような連打に鼓舞され
錐揉み式に伸張する
雲を抜け
大気圏を突き破り
ブラックホールを縛りつつ
宇宙の端をUターン

会社員のパパのパパのパパのパパの……
事務員のママのママのママのママの……
二重螺旋を繋ぎ合わせた距離も
それくらい?

目眩がして
ようやくT字に止まると
河童さんが
やじろべえに揺れていた
霧雨の山の端に
陽光が斜めに射している
薄く虹が掛かっていた

「憎い」うちは
リーベだね?



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