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祝🐍巳年 切り絵動画 ヤマタノオロチ  Happy New Year of Snake Recitation Film"Kojiki (Ancient Japanese Legends),Yamatano-orochi-The Eight-Headed Serpent"" 

  昨年末、突然、腰痛に見舞われた。慣れぬ庭作業で歩行困難に。起床時などは着替えさえ出来なかった。それが始まったのが、ちょうどこの朗読動画に着手した頃である。 「蛇(オロチ)が降りてきた!」  これは退治せねば、と、三週間の格闘と度重なる「書き出し失敗」の末、完成したのが正月二日だった。お陰で、現在はなんとか歩けるまでに痛みは緩和している。悠久の魂魄が息づく神話と対峙するのは容易でない。恐るべし「言霊」である。 At the end of last year, I was suddenly struck by lower back pain. Unfamiliar garden work left me unable to walk. At times, like when getting up in the morning, I couldn’t even get dressed. This all began right around the time I started working on this reading video. “The serpent (Orochi) has descended!” I thought, I must vanquish it. After three weeks of struggle and countless "export failures," I finally completed it on January 2nd. Thanks to that, the pain has now eased to the point where I can walk somehow. Facing myths where eternal spirits reside is no easy task. The power of "kotodama" (the spirit of words) is truly fearsome. 太鼓朗読 古事記「八俣の大蛇」 Taiko Recitation: Kojiki "Yamata no Orochi–The 8-Headed Serpent" JPN Read/ENG Subs

ホイットマン生誕200周年とギンズバーグ


本年はアメリカ・ルネサンスの代表詩人
ウォルト・ホイットマンの生誕200周年らしいが
我が国の業界ではどうなんだろう
「けっ。あんなのは海の向こうの
遠い昔の、散文じゃないか。
その証拠に、映画『いまを生きる』で
詩人というより死人扱いされてたろう」ーー
って感じで
だーれも取り扱わない
(ただし、ホイットマン協会以外は?)

かくいう私も
遠い昔に『草の葉』を日本語で読んだ程度

最近は、ビート詩人のアレン・ギンズバーグ を読んでいて
折しも
Poetry Fundationという
シカゴに本部がある世界的詩の団体のツイッターでも
アレンが突如、紹介されていて
しかもそれは
ホイットマンについて述べた詩でもあり
生誕年とのシンクロにも驚いて
(詩の力なんだろうな)
持ってた翻訳でも紐解いてみた

Supermarket in California by Allen Ginsberg
 

『カリフォルニアのスーパーマーケットで』

満月を眺めながら、自意識過剰な頭痛を感じ街路樹の下の歩道を歩いている間、ウォル 
 ト・ホイットマンよ、今夜僕はなにを考え他のでしょう。
僕の空腹による疲労、そしてイメジを買いながら、僕はネオンの果物のスーパーマーケッ
 トに入った。あなたの一覧表を夢見ながらら!
どんな桃と どんな半影! 一家総出の夜の買物! 夫たちでいっぱいの通路! ワニ梨
 のような妻君たちと トマトのような赤ん坊たち! ーーそして、ガルシア・ロルカ
 あなたはスイカのそばでなにをしていたのですか?

僕にはあなたが見えた、ウォルト・ホイットマンよ、子どももなくさびしく老いて、あく
 せくと冷蔵庫の肉をほじくりながら食品売場の少年を見ているのが。
あなたがいちいちたずねているのが僕にはきこえる、ポーク・チョップをなくしちまった
 のはだれか? バナナはいくらだ? きみは僕の天使かい?
僕はぴかぴか光るカンヅメの棚を出たり入ったりしながら あなたについて歩く そして
 僕の空想の中で店の探偵に尾行されている。
僕たちは大またに歩く 開け放しの通路を通り孤独な空想の中でチョウセンアザミの味を
 みたり あらゆる冷凍食品を味わう、勘定場を通りはしない。

どこへ行くのですか、ウォルト・ホイットマンよ? 一時間すればドアがしまる。あなた
 の髭は今夜どの方向を指すのですか?
(僕はあなたの本にさわり、スーパーマーケットの僕たちのオデッセイを夢見、そしてお
 かしさを感ずる)
僕たちはひと晩中さびしい街を歩くのですか? 木々は影を深くし、家々のあかりは消え
 僕たちはふたりともさびしくなる。
失われた愛のアメリカを夢見ながらあてもなく歩きまわるのですか ドライブウェイの青
 い自動車を通りすぎ、僕たちの静まりかえった小屋に向ってかえるのですか?
あゝ、親愛なる父よ、灰色の髭、さびしい勇気の師匠、三途の川の渡し守りカロンが彼の
 渡し舟を棹さすのをやめて あなたがけむる川岸に立ち 冥土の忘れ河の水に消えてゆ
 く舟を見送ったとき そこにはどんなアメリカがあったのですか?
                     バークレー・1955

(引用文献 『ギンズバーグ 詩集 増補改訂版』諏訪優訳編 思潮社)



さあ、令和でますます平和的な(が、実はツンデレな?)詩人諸氏よ。思潮社さんからの詩集だから、無視するわけにはゆくまい! 
終盤にもアレンがホイットマンを「師匠」と呼んでいるように、『吠える』を代表とする彼の詩は、まさに『草の葉』である。韻だの韜晦な言い回しなどありはしない。これを原文で朗読すれば分かるが、在るのはビートとヒートである。が、その暑苦しさとは裏腹な寂しさ。。。なんだか、焦りだったり空虚を埋めるように、彼はマシンガンのごとく書いては吠える。卑俗で攻撃的で寂寞な咆哮ーー彼も、「Dead Poet」と揶揄されてやまぬ民衆詩人の弟子たる使命を悲壮かつ勇壮に生き続けていたのかも知れない。

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