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【文明の危機〜タゴールの放つ警鐘は今なお、、、】”Crisis in Civilization” — Tagore’s Warning Still Rings Out

  昨日(6月16日付)の新聞に、アメリカ(トランプ大統領)とイランとの停戦合意の文字が躍っていた。同じ面に、サッカー日本代表がオランダと2−2のドローで初戦を終え、日経平均株価が七万円に迫る最高値を更新した、とあった。  インドの詩聖タゴールは死の直前にエッセーを残している。その名も『文明の危機』。 "Crisis in Civilization"(English)       遅まきながら拝読し、いささか驚いた。日本の軍国主義を批判した彼が「日出(いず)る国」に期待を寄せていたようなのだ。長いエッセーなので、エッセンスを抽出するように再構成を試みた。彼の詩集『ギタンジャリ』にならって散文形式にまとめた。東洋人の目から見る西洋文明の危機ーー80年を経た現在もそれは変わっていない気がする。  In yesterday’s newspaper, dated June 16, the words “ceasefire agreement between the United States — President Trump — and Iran” leapt from the page. On the same page, I also saw that Japan’s national football team had opened its campaign with a 2–2 draw against the Netherlands, and that the Nikkei average had reached a new record high, closing in on 70,000.  Shortly before his death, India’s poet-sage Rabindranath Tagore left behind an essay. Its title was "Crisis in Civilization." Belatedly, I read it — and found myself somewhat surprised. Tagore, who had criticized Japan’s militarism, nevertheless seems to have plac...

ホイットマン生誕200周年とギンズバーグ


本年はアメリカ・ルネサンスの代表詩人
ウォルト・ホイットマンの生誕200周年らしいが
我が国の業界ではどうなんだろう
「けっ。あんなのは海の向こうの
遠い昔の、散文じゃないか。
その証拠に、映画『いまを生きる』で
詩人というより死人扱いされてたろう」ーー
って感じで
だーれも取り扱わない
(ただし、ホイットマン協会以外は?)

かくいう私も
遠い昔に『草の葉』を日本語で読んだ程度

最近は、ビート詩人のアレン・ギンズバーグ を読んでいて
折しも
Poetry Fundationという
シカゴに本部がある世界的詩の団体のツイッターでも
アレンが突如、紹介されていて
しかもそれは
ホイットマンについて述べた詩でもあり
生誕年とのシンクロにも驚いて
(詩の力なんだろうな)
持ってた翻訳でも紐解いてみた

Supermarket in California by Allen Ginsberg
 

『カリフォルニアのスーパーマーケットで』

満月を眺めながら、自意識過剰な頭痛を感じ街路樹の下の歩道を歩いている間、ウォル 
 ト・ホイットマンよ、今夜僕はなにを考え他のでしょう。
僕の空腹による疲労、そしてイメジを買いながら、僕はネオンの果物のスーパーマーケッ
 トに入った。あなたの一覧表を夢見ながらら!
どんな桃と どんな半影! 一家総出の夜の買物! 夫たちでいっぱいの通路! ワニ梨
 のような妻君たちと トマトのような赤ん坊たち! ーーそして、ガルシア・ロルカ
 あなたはスイカのそばでなにをしていたのですか?

僕にはあなたが見えた、ウォルト・ホイットマンよ、子どももなくさびしく老いて、あく
 せくと冷蔵庫の肉をほじくりながら食品売場の少年を見ているのが。
あなたがいちいちたずねているのが僕にはきこえる、ポーク・チョップをなくしちまった
 のはだれか? バナナはいくらだ? きみは僕の天使かい?
僕はぴかぴか光るカンヅメの棚を出たり入ったりしながら あなたについて歩く そして
 僕の空想の中で店の探偵に尾行されている。
僕たちは大またに歩く 開け放しの通路を通り孤独な空想の中でチョウセンアザミの味を
 みたり あらゆる冷凍食品を味わう、勘定場を通りはしない。

どこへ行くのですか、ウォルト・ホイットマンよ? 一時間すればドアがしまる。あなた
 の髭は今夜どの方向を指すのですか?
(僕はあなたの本にさわり、スーパーマーケットの僕たちのオデッセイを夢見、そしてお
 かしさを感ずる)
僕たちはひと晩中さびしい街を歩くのですか? 木々は影を深くし、家々のあかりは消え
 僕たちはふたりともさびしくなる。
失われた愛のアメリカを夢見ながらあてもなく歩きまわるのですか ドライブウェイの青
 い自動車を通りすぎ、僕たちの静まりかえった小屋に向ってかえるのですか?
あゝ、親愛なる父よ、灰色の髭、さびしい勇気の師匠、三途の川の渡し守りカロンが彼の
 渡し舟を棹さすのをやめて あなたがけむる川岸に立ち 冥土の忘れ河の水に消えてゆ
 く舟を見送ったとき そこにはどんなアメリカがあったのですか?
                     バークレー・1955

(引用文献 『ギンズバーグ 詩集 増補改訂版』諏訪優訳編 思潮社)



さあ、令和でますます平和的な(が、実はツンデレな?)詩人諸氏よ。思潮社さんからの詩集だから、無視するわけにはゆくまい! 
終盤にもアレンがホイットマンを「師匠」と呼んでいるように、『吠える』を代表とする彼の詩は、まさに『草の葉』である。韻だの韜晦な言い回しなどありはしない。これを原文で朗読すれば分かるが、在るのはビートとヒートである。が、その暑苦しさとは裏腹な寂しさ。。。なんだか、焦りだったり空虚を埋めるように、彼はマシンガンのごとく書いては吠える。卑俗で攻撃的で寂寞な咆哮ーー彼も、「Dead Poet」と揶揄されてやまぬ民衆詩人の弟子たる使命を悲壮かつ勇壮に生き続けていたのかも知れない。

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