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注目

【白秋はロックな詩人〜北原白秋「邪宗門秘曲(ロック)」】

  北原白秋、と聞くと、真っ先に童謡のイメージを抱く。しかも、金子みすゞと並んで教科書に載るような実に優等生的名作ばかりで、荒みきった小生には退屈で仕方ない。だから、長い間ノータッチだったのだが、ふと「邪宗門」という言葉に引っかかるところがあり、「青空文庫」を閲覧してみて仰天した。かくもキレキレの白秋にお目にかかるのは、遅まきながら初めてだったのだ。童謡のイメージが見事に粉砕された瞬間だった。と同時に、ロックビートが耳に蘇ってきて、それで朗誦することにした。詩人の若き時は、なぜこうも尖っているのだろう。歳を取り名声や勲章を手にすると、鋭さはなまってしまうのか。政治にしろ芸術にしろ、「みんなに愛される」のは、結局「誰にも愛されない」ことか。「嫌われ者」が理想?  When I hear the name Kitahara Hakushu, the first thing that comes to mind is children’s songs. And not just any children’s songs, but those impeccably “model-student” masterpieces that seem to belong in school textbooks alongside the poems of Kaneko Misuzu. For a jaded fellow like myself, they were simply too wholesome to be interesting.  So for a long time, I left Kitahara completely untouched. But one day, the word Jashūmon somehow caught my attention. I looked it up on Aozora Bunko—and was astonished.  This was the first time, late though it may have been, that I had encountered such a sharp-edged, dazzlingly intense Hakushū. In that moment, my image...

(詩)「不死のひと」その2

(「日本科学未来館」(常設展「未来をつくる」)から



自力で組み立てられればいいのだが
以前、通(つう)を気取ってSSDを通販で取り寄せ
HDDとの交換を試みたことがあるが
相当難儀した
マニュアル通りに認識してくれないのだ!
馬鹿になったバッテリーは充電が効かず
刻一刻と減り続ける残量に急かされ
大わらわにケーブルを抜き挿し
ディスクを嵌め直すものの
二行の呪いはカッコ不抜!
 
 「Remove disks or other media.
       Press any key to restart」ーー

シャットダウンしかけの意識を
「想い姫」の待ち受けを輝度マックスで立て直し
すぐさまスマホでコールセンターを呼び出し
なんとかリカバリーに間に合ったのだった
(憧れのミューズに詩集を贈れずして
 何が五輪メダルだ!)

幸い、ヘビーユーザー特典で
ショップまでドローン送迎を2割引で頼めた
この手記を書いているということは
一応、アップグレードは成功したが
いささか違和感が残っている
筆致もお読み通りのレベルだし
定評あった批評眼が冴えているか疑わしい
ただ、膝関節だけは
パラアスリートも御用達の性能らしく
2千万歩を100分で走り切れる
(名著朗読もその頃には聴き終わっている)
疲れもなく
その後の執筆も快調だ
テレビ漬け老父と良い勝負である

ボクの望みは
先述の通り、姫へ詩集を献上することと
父より長生きすること
ボクの学歴を馬鹿にした小役人にだけは
死に顔を晒したくない
(「東大に落ちた負け犬」などと罵倒したのだ
 自分は、帰宅後テレビ漬けだったくせに……

とにかく
そんな本一冊読みもしないチャンバラ大帝を見返すべく
2千万ウォークで鍛えながら創作に勤しんでいるのだが
OSを最新にしてからというもの
どうも調子がイマイチである
以前のようなトロさや疲労感は当然解消されているが
なぜか達成感がない
「こんなものじゃない」といった不満が燻る
(投稿が載らないのがその証拠?)
CPUも筐体(ボディー)もスペック・強度揃って上がっているはずなのに
寿命も以前を遥かに凌ぐ
店員によれば「一世紀は軽い」耐久性を備えているというのに……

それでもメンタルの悩みは尽きず
何度もショップへクレームを訴えに行くも
検査結果は「異状なし」
紹介されたクリニックを受診するも
首を捻られるだけ
話を聞くだけでは医療点数が稼げぬからだろう
「とりあえず」と軽い錠剤だけ処方されつつ
耳にした呟き

Sleep no more」(もはや、眠るな)ーー

スイスにでも行かねば
そして
相当の資金がなければ実現不可能なことは知っている
選択の際にも迷いはした
年齢と実力からして
詩集出版までには間に合いそうになく
永遠を選んだのだった
それが絶望を齎らそうとは夢にも思わなかったのだ
〆切があるからこそ必死になれる
潜在力も喚起される
いざ延期が許されると気が緩むのか
油断が生じるのか
病魔がそっと胸の隙間に忍び込む

おお、I先生
先生のお言葉通り
生老病死の意味合いが全く変わってしまいましたね
「永遠」を掴んだがため
ひとは「永遠病」に悩むこととなりました
終わりのないのは地獄です
取り換え可能なボディーと回路を携えて
火星、木星、土星へと
移住を続けるなど拷問です
深く永い眠りをください
目覚めなくても構わない
目覚めたところで
こうして毎日
愚にもつかぬたわ言を叫び続けなくてはならない
宇宙ゴミよろしく
クラウドの・クラゲと漂流するだけです
宇宙ステーション(きぼう)には邪魔なだけの……



永遠のひとは
今日も憂鬱ーー




Sleep no more」はシェイクスピア『マクベス』二幕二場から引用した。

























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