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注目

【終戦80周年】『愛國百人一首』『戦争(作・与謝野晶子)』を詠む

  8月15日を迎えた。終戦80周年(海外では、日本が降伏文書に署名した9月2日)に寄せて、二作を制作。祈りの一日。。。 『愛國百人一首』 ロック詩『戦争』与謝野晶子 August 15 has come — the 80th anniversary of the end of the war. (Overseas, the date is marked as September 2, when Japan signed the Instrument of Surrender.) On this day of prayer, I completed two new works. 【English Subs】80 Years After WWII /100 Patriotic Tanka Poems (1942): Samurai Spirit in Prewar Japan “War(戦争)” Yosano Akiko,Poet(1878-1942)  JPN Read/ENG Subs  

ジャムと本質


知人に手作りジャムをもらった
これが美味いのだ
どんな有名ブランドのものより
どんなオーガニック通販より
美味い
「保存料も着色料も一切入ってないから
早く食べて」とのこと
でも
なるべく長期間賞味したいから
チビチビと頂くことにするーー

ブログだのツイッターだのを始めて
二ヶ月経った
なんとか振り向いてもらおうと
愚にもつかぬことを
毎日せっせと書き連ねてきた
人をフォローし
されてきた
毎日ウェブをチェックする
そこに記されていることが
本当かどうかなど二の次
一番の興味は
アクセス数である
自分がどれだけ売れてるかである

売るためには
ある程度の演出をする
虚偽とまでいかぬにしろ
尾ひれをつけてモったりする
その典型が自撮り加工だが
似たり寄ったり
沢木耕太郎ではないが
カッコいい表現(プレゼン)の
コーディネイトがあってこそ
見る(知る)に耐えるのだろう
オブラートがなければ
苦い薬は服めない
マシュマロでなければ
厳しい現実は痛い

斯くして我々は
幾重にも重ねられたフィルターを通して
物事を認識する
(認識したような気になる)
アクセスの増減が自分の価値、と
一喜一憂する
置いてかれたくないばかりに
掌からスマホを離さない
だから
必死に食ったものを投稿する
行った場所をひけらかす
受賞を自慢する
絶対に
前夜の閨事がいかにステキ
(もしくは、ヒサン?)だったかなど
明かさぬくせに。。。

当たり前だ
そんなものを載せると
一気に炎上
アカウント停止である
恥になるようなことはやらない
みんな、うまいことやっている
うまいことホラを吹いては
モッたりして
我が存在(価値)を
100%本質を語るわけではない
(むしろ、虚像を示す)数字で確かめる
二次元の我が身を棚に上げ
フェイク、フェイクと騒ぎ立てる
同じ穴のムジナと気づかない
「情報」の授業でリテラシーを学んでいても、だ
頭で分かっても
心はそうも行かない
ネットは情報以上に情緒を籠絡させる
強粘性の網なのだーー


ジャムに話を戻す
確かにジャムもネバネバする

時に人や世を害する
化学物質や科学技術と異なり
保存料も着色料も入ってない
純然たる手作りが
不味く有害なはずない
(瓶はちゃんと消毒済み)

私はその絶品を
工場で量産される
取り換え可能なものとは違う
世界でひと瓶しかない甘露を
チビチビ舐めながら安堵した
美味いと感じれる我が舌に
レトルトよりおふくろの味に
軍配を上げるであろう味覚に
(かの有名な資産家が言っていたと記憶する
「フェミレスのほうが美味い」とーー)

そして
ちょっとゾッとした
このまま
シリコンと廃油を摂り続けるなら
空っぽの終電にひとり
スマホを覗きつつ取り残される
マツコロイドよろしく
固まってしまうのではないか、と
「冷たい手」と突っ撥ねられた
別れの宵のように。。。











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