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注目

【梅雨時とポストコロナ?】萩原朔太郎「ばくてりやの世界」をジャズ朗唱🎤

  W杯リーグ戦で善戦した日本だが、国内は地震、台風で大荒れ。おまけに、テレビ、新聞、折り込み広告は、さまざまな予防接種をタレントを使って呼びかけている。コロナワクチンによる被害甚大であるにもかかわらず。  スポーツその他の祭りごとで重大事から目を逸らされることを警戒せねばならない。朔太郎曰く   ばくてりやがおよいでゐる。   あるものは風景の中心に。  おそるべし、細菌と詩人! Japan fought well in the World Cup group stage, yet here at home the country is being battered by earthquakes and typhoons. On top of that, television, newspapers, and advertising inserts are all calling on people to receive various vaccinations, using celebrities to promote them—despite the enormous harm caused by the COVID vaccines. We must remain alert to the danger of being distracted from serious matters by sports and other public spectacles. As Sakutaro Hagiwara wrote: “bacteria are swimming.” “Some are in the center of a landscape.” Beware—the bacteria, and the poet!

思い出(人間ピラミッド)



まだ運動会が
秋にしか行われてなかった時代
本番を数日後に控えた
午後の校庭で
僕ら小五男子はピラミッドの稽古をしていた

秋晴れの陽光は眩しく
地面は剥き出しの膝や掌に熱いほど
長身だった僕は一番下の
右から二番目
短距離走は得意だったが
こうした集団演技は苦手だった
地面や人に触れるのも嫌である
だから
四つん這いで
必ずしも親しいわけではない級友らを支えるのは
拷問以外なにものでもなかった
幼な心にも
「これは学校のため」と
優等生よろしく自分に言い聞かせていた

そんな気持ちだから
厳しい号令にも
機械的に従うだけだった
誰一人
「頑張ろう!」なんて意欲を示す者はいなかった
張り切っているのは教師だけ
まるで軍隊のようだった

笛が鳴り
膝と手をつく
続いて上に級友が乗る
彼の膝頭が僕の肩甲骨をぐりぐりと揉む
痛くてならない
そこへ容赦無く
三段目が乗ってくる
膝に小石が食い込んで
悲鳴を上げそうだ

苦しいのは僕だけじゃない
皆、我慢している
そう指導されてきたのだから
僕一人、我が儘は許されないのだ


顎をしゃくった僕の目の前に
四つん這いの僕の影が揺れていた
利き腕の右は肘がしゃんと伸びているが
左肘はくの字に震えている
もうダメだ、と思った瞬間だ
地面にお腹が着くや否や
雪崩が僕の背中を襲った
息が出来ない
伸(の)されてゆく
遠くでピピーと笛が鳴る
溜息と罵声が浴びせられる

不思議と僕は悔しくなかった
いや
全くなかったわけではない
ただ
不謹慎だが
崩してしまったことに
言い知れぬ
痛快さを覚えていた
それを表立って表せないから
僕は渋面を作って
級友や先生にペコペコ謝った
「ちっ。しょうがねぇなぁ」と
教師がやり直しを命じる
誰も僕の真意に
気づきはしなかったーー

そういう意味において
ピラミッドは僕に
集団バイアスのいなし方を
教えてくれた

児童というのは
先生たちが期待するほど
児童でもないのである。。。


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