スキップしてメイン コンテンツに移動

注目

【白秋はロックな詩人〜北原白秋「邪宗門秘曲(ロック)」】

  北原白秋、と聞くと、真っ先に童謡のイメージを抱く。しかも、金子みすゞと並んで教科書に載るような実に優等生的名作ばかりで、荒みきった小生には退屈で仕方ない。だから、長い間ノータッチだったのだが、ふと「邪宗門」という言葉に引っかかるところがあり、「青空文庫」を閲覧してみて仰天した。かくもキレキレの白秋にお目にかかるのは、遅まきながら初めてだったのだ。童謡のイメージが見事に粉砕された瞬間だった。と同時に、ロックビートが耳に蘇ってきて、それで朗誦することにした。詩人の若き時は、なぜこうも尖っているのだろう。歳を取り名声や勲章を手にすると、鋭さはなまってしまうのか。政治にしろ芸術にしろ、「みんなに愛される」のは、結局「誰にも愛されない」ことか。「嫌われ者」が理想?  When I hear the name Kitahara Hakushu, the first thing that comes to mind is children’s songs. And not just any children’s songs, but those impeccably “model-student” masterpieces that seem to belong in school textbooks alongside the poems of Kaneko Misuzu. For a jaded fellow like myself, they were simply too wholesome to be interesting.  So for a long time, I left Kitahara completely untouched. But one day, the word Jashūmon somehow caught my attention. I looked it up on Aozora Bunko—and was astonished.  This was the first time, late though it may have been, that I had encountered such a sharp-edged, dazzlingly intense Hakushū. In that moment, my image...

夢のはなし02 「オレンジ工場」(ハチミツおじさんと金子みすゞ)

金子みすゞ「蜂と神さま」

夢のはなし02  「オレンジ工場」


場所はオレンジ工場
といっても、なぜか青天井
もしくは屋内栽培か
天井からオレンジの実が
鬱蒼たる樹々からたわわにぶら下がっている
私は現場主任らしく
女工たちに混じって薄皮剥きをやっている
大きな平机が数台あり
ひと班、五、六名ずつで作業中
私はそのひとつに付いて
ぺちゃくちゃお喋りしながら
実を頬張っている

背後に気配がして
振り向くとアルバイトだろうか
二名の若い娘
突っ立っているので
どこでもいいから
早く中に入って働くよう指示する
なんとも無責任な主任!

やがて
一人のベテラン女工が
脚立に上がって実を摘み始める
私は一層渇きを覚え
バクバクと実を食いだしたーー


------------------------------------------------------------------------
西陽の熱がこもる寝室は夜中も蒸し暑く、この夢と喉の渇きで目覚めた。

月火の深夜(15,16日早朝)、「深夜便 明日へのことば」は「ハチミツおじさん」で有名な養蜂家・船橋康貴氏のインタビュー「ミツバチから地球環境を考える」だった。印象に残ったことをメモにーー。

①花々が美しいのは、別に人間の目を楽しませるのではなく、ミツバチに受粉してもらうため。
②花々はミツバチの羽音に反応し、花弁を広げ、甘い蜜を分泌させる。
③約3千もの花々に受粉をし、野菜・果実を実らせるミツバチ一匹の経済価値は、果実1個100円で換算すると、450万円相当。
④ミツバチ→受粉→森林→酸素・食物供給→人類の生存。それが、環境破壊によって、ミツバチ減少。一匹10円もしない、などと侮るなかれ。
⑤環境コンサルをやっていながら、取材に来た女子中学生に「わたしたちを救って下さい!」と泣きながらお願いされた。
⑥「オペラ座のハチミツ」を求めて、「ボンジュール」しかフランス語は知らないまま、アポなしで支配人に会え、ハチミツ業界の重鎮達に紹介された。
⑦「自然に畏敬の念を持つ」ーーそれ以上の宝はない。(何を恐れることがあろう!)
⑧ディズニー本社に、ハチの減少を子供たちに知らせるべく、映画キャラクターで宣伝して欲しい旨を、警備員に突っ返されながら直談判する。etc...

オジさんより先輩のくせに、朝から晩までテレビ漬けの老父に爪の垢煎じて飲ませたいほどだが、最後に金子みすゞの詩を引かれて、これには参ってしまった!


「蜂と神さま」 金子みすゞ

はちはお花のなかに
お花はお庭のなかに
お庭は土べいのなかに
土べいは町のなかに
町は日本のなかに
日本は世界のなかに
世界は神さまのなかに

そうして、そうして、神さまは
小ちゃなはちのなかにーー


オレンジの夢のあと、早速、お供えしていた夏みかんを食した。渇いた喉と寝ぼけ眼に、爽やかな酸味は強力な目覚ましだった。これも、ミツバチの恵みかと思うと、感慨深かった。そうなのだ。夏場所たけなわの両国だが、あの巨漢力士らも、踏めばひとたまりもないミツバチの恩恵を受けているのである!











コメント