Cowards die many times before their deaths.
シェイクスピアの代表史劇『ジュリアス・シーザー』のセリフ。
「臆病者は本当の死以前に、何度も死ぬ」。
これ、私の高校時代の英和辞典末尾に挙げられていた名文一覧にあって、何とこれに赤線を引いていた。受験ストレス? 将来の不安? 小心者だったんだな。
マインドフルネス
「力まず・避けず・妄想せず」がストレス軽減3要素。だが、人は往々にして過去の過ち、未来の不安に囚われ、自分で自分の足を引っ張りがち。まさに「妄想」の虜である。
そこから脱却する方法が「心を今、この瞬間に向かわせる」ーーマインドフルネス、と。その代表が「座禅による瞑想」。他に茶道、花道も含まれるそうだが、何も特別な場所に行かずとも、日常生活だって瞑想は可能。その二つが、
「歩く瞑想」「食べる瞑想」!
歩く際、足の裏に、一歩一歩、地を踏む感覚を意識したり、足を出すごとに感じるバランスだったり、普段、意識しない肉体感覚を味わう。「今、この瞬間」を意識する、ということ。
次に教授が挙げるのが「キュウリ」だ。私は聴いていて吹き出してしまったが、教授もアナウンサーも真剣である。(なぜなら、実際にキュウリの漬物を持て来たそうなのだ!)
さて、このキュウリ、教授はそれをまるで初めて見るもののように矯めつ眇めつ観察し、匂いを嗅ぎ、一口かじる。そして、一気にバリバリ噛んで呑み込むのでなく、一口一口、その塩辛さ、風味などをじっくりと味わう。そうして、普段、通り過ぎてしまってる感覚を取り戻す。つまり「今、この瞬間」である。スマホやテレビを見ながらではそうもいかない。いや。むしろ、それで却って現実感覚からどんどん離れ、ますます妄想の世界に。。。
この「今、この瞬間」のレッスンは、うつ病とか不安障害の治療にも活用されていて、効果を上げている、とのこと。自身の影に怯えるマクベスから卒業出来るってことか。なるほど。食事を必ず撮影してSNSに、なんてのはザラだし、かく言う私もラジオを聴き、Webを見ながらメシ食ってる。パラレル・ワールドに思考は拡散しっぱなし。ああ、これでは「臆病者は二度」ってことに。
まとめ
教授は茶道・花道も瞑想の一種に挙げられていたが、「夢中になれるもの」があると、不安も忘れる。私も創作に没頭している時はそれに集中して恐怖が消える(というより、潜伏か?)が、逆に、何もしていない時のほうが情緒不安に陥る。さすがにキュウリの漬物をゆっくり味わう時間はないが(作らないといけないんだろうけど)、可能な限り「今、この瞬間」に向かう実践を習慣化すれば、「妄想せず」を獲得出来るのでしょう。
皆さま。そして、私。五日間に亘って、ご苦労様でした。
「ストレス対策 その5(最終回)」聴き逃しで、5月17日午後6時まで聴けます。
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