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【知恵こそ武器】ロック歌舞伎「勧進帳」  Wisdom Is the True Weapon — Rock Kabuki “Kanjinchō”

  かつて、戦争資料館の館長から聞いたエピソード。招集された市民が軍服を手渡され、着てみると小さく、交換を申し出ると「お前が軍服に合わせろ!」と怒鳴られたそうだ。  役所、役人というのはそういうものだろう。「勧進帳」(能「安宅」)は、そんな「人を肩に嵌めようとする権力」の計略を知恵で乗り切ろうとする痛快劇である。しかし、その機転と裁量は、ただ一日ぼうっと過ごして育まれるものではなかろう。権力の前で怯え、平伏し、従ってしまうのが常。だからこそ、弁慶のような智勇を兼ね備えた人物に、時代を超えた憧れを抱くのかも知れない。現代で言えば、大谷翔平だろうか。。。   「弁天小僧 菊之助」  に続くロック歌舞伎の第二弾。「大恩教主の秋の月」の季節ではないが、選挙が近いともあって、制作した「勧進帳」のように、投票用紙に自分の意見を書けば無効になる。「指定の名を」というのが権力側の意向。そこに民意が反映されるのか、、、いつもの疑問である。  Once, I heard an episode from the director of a war museum. Citizens who had been drafted were handed military uniforms. When one man tried his on, it was too small. He asked for a different size—and was shouted at: “Adjust yourself to the uniform!”  That, in essence, is how bureaucracies and officials tend to work.  Kanjinchō (from the Noh play Ataka ) is a rousing tale about overcoming exactly this kind of power—power that tries to force people to fit its mold—through wit and ingenuity. But such presence of mind and judgment are not cultivated by drifting through one’...

落し物?  〜「悲しみ(谷川俊太郎)」に寄せて

落とし物

あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまつたらしいーー

谷川俊太郎の名作「悲しみ」である。
しかし、泥臭い地上に生きる我々が落とす場所はそんなにロマンチックではない

きょうの始まり

「なにやってんだ。ちゃんと伝票見てんのか!」
営業所留めの完了メールを前日にもらっていたのに、追跡検索すると、「持ち出し」になっていて、速攻、クレーム電話を入れた。以前にも同じ誤りが店側にあったので、そのことも重ねて、いささか厳しく問いただしたのだ。ちなみに、届きモノはコンデンサー・マイクである。決して、大人のオモチャではない(って、いちいち言うところがあやしいって?)

ストップウォッチも鍵も

さて、午後、その品を営業所に車で取りに行き、帰路、買い物に寄った。終えて、ロックを解き、荷物を助手席に乗せて、さあ、出発と鍵を探すが、ない! いわゆる「キーレス」タイプで、車を開けてすぐ、鍵を鍵穴に刺せばよかったものの、荷物がわずらわしくて、先に助手席に前屈みで載せた。その際、外に落としたか、車内に落としたかしたようで、2、30分、内と外を探し回った。不審な目を向けられながら。

が、結局、見つからず、家人にスペアを持ってきてもらった。その足で一応、交番に届け出に寄ったところ、遺失物扱いされた。盗難ではない、ということだ。

もし、あの時点で、足元に鍵が落ちていたら、ひとこと「落としてますよ」と言ってくれてもよさそうなものだ。が、瑕疵はもっぱらこちらにある。人に恃める立場ではない。そうそう。営業所に取りに行った際も、ストップウォッチを失くしていた。踏んだり蹴ったり。不愉快な一日だ。

悲しみ〜遺失物係

警察でも自己責任を言われ、悄然・憤然とハンドルを握りつつ思った。ああ、朝からひどく責め過ぎた報いか、と。実は、荷物が持ち出されたのは、フリマでの購入品だったためで、その場合、基本、営業所留めは出来ず、まず個人宅に届けるのが原則だったそうだ。私はそのことさえ「そんなもの、客側は知らないんだから、メールか何かで知らせろ!」などと反詰したのだった。その数時間後の、鍵喪失。。。自然消滅などあろうはずないから、きっと誰かの手に握られているに違いない。早々に鍵を変えねばならないが、エンジンそのものから変える必要もあるらしい。もっともだ。駐車中に我が車を見つけられでもしたら、その鍵で車ごと。。。その不安を巡査に言うと、「その時は、その時に言って下さい」とのこと。ああ。それで、耳朶に蘇ったのが、「悲しみ」の後半節ーー。
 
透明な過去の駅で
遺失物係の前に立つたら
僕は余計に悲しくなつてしまつたーー

他人を責めながら落し物をする我が身にも、それを見つけながらポケットに仕舞い込む盗人にも憤懣やるかたない。ひょっとして、宇宙が私に教えているのかも知れない。「その不愉快を、罪のない休日返上職員が味わっているのだ」とーー。
遺失物係も案外、厳しいおかたのようだ。。。


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