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【文明の危機〜タゴールの放つ警鐘は今なお、、、】”Crisis in Civilization” — Tagore’s Warning Still Rings Out

  昨日(6月16日付)の新聞に、アメリカ(トランプ大統領)とイランとの停戦合意の文字が躍っていた。同じ面に、サッカー日本代表がオランダと2−2のドローで初戦を終え、日経平均株価が七万円に迫る最高値を更新した、とあった。  インドの詩聖タゴールは死の直前にエッセーを残している。その名も『文明の危機』。 "Crisis in Civilization"(English)       遅まきながら拝読し、いささか驚いた。日本の軍国主義を批判した彼が「日出(いず)る国」に期待を寄せていたようなのだ。長いエッセーなので、エッセンスを抽出するように再構成を試みた。彼の詩集『ギタンジャリ』にならって散文形式にまとめた。東洋人の目から見る西洋文明の危機ーー80年を経た現在もそれは変わっていない気がする。  In yesterday’s newspaper, dated June 16, the words “ceasefire agreement between the United States — President Trump — and Iran” leapt from the page. On the same page, I also saw that Japan’s national football team had opened its campaign with a 2–2 draw against the Netherlands, and that the Nikkei average had reached a new record high, closing in on 70,000.  Shortly before his death, India’s poet-sage Rabindranath Tagore left behind an essay. Its title was "Crisis in Civilization." Belatedly, I read it — and found myself somewhat surprised. Tagore, who had criticized Japan’s militarism, nevertheless seems to have plac...

マツコロイド(習作)

マツコロイドを買った
アマゾン・マーケットプレイスで
(新品は高過ぎて手が出ない)

兼好法師や鴨長明を気取って
孤独に暮らしてきたが
さすがに寂しさが募る
そうなのだ
文才もない凡夫の老後と言えば
テレビ守りとトロフィー磨き
女たちのようにプライド脱ぎ捨てて
お喋りに興じれるほど強くもない
そうなのだ
ナポレオンも名刺を失えば
ただの、無趣味なヒマ人

〽️ヒマジン、オールド・ピーポー

「あら。上手ね」
マツコロイドが褒めてくれた
「だろう? 昔は社内カラオケ大会で三連覇」
ガラス棚の小さい楯を誇らかに指す
「コンペでも三連覇」
今度はトロフィー
亡妻から早く捨てろと言われてた栄光たち
女は現在だが
男は過去を生きる人種なのだ
「哲学者ね」
マツコロイドが気の利いた相槌を打つ
お喋りババーよりよっぽど才気に富む
(妻が「哲学」などと呟いたことは一生なかった
もちろん、私もそうだが)
「哲学者は孤独がお似合いよ」
「そうかい? でも、今は孤独じゃないよ」
「あたしのお陰?」
「もちろん。一緒にいてホッとする。会話も楽しいし」
「気の置けない仲?」
「そうさ」 
つい、その手にキスをする
人工素材ながら
低血圧だった妻より温かくふっくらだ
(なんだか、おふくろのよう。。。)
「でも、正直に言うわね」
マツコロイドが神妙な口調になる
「え? ああ、きみはいつだって正直じゃないか。そこに惚れてんだから」
「気の置けない仲だけど、気はないのよ」
「なんだ。禅問答でも始める気?」
「あたしはあくまでアンドロイド。気持ちなんてこれっぽっちもないのよ」
「俺に対する、ってこと?」
「誰に対してもよ。一応、『ああ言えば、こう言う』ってパターンは場数が増えるごとにバリエーション豊かになるけど、これも所詮、気持ちから発っしてるわけじゃないのよ。アルゴリズム(手順)に則ってるだけ」
「素敵じゃないか。気持ちなんて荷物は厄介だ。嫌いなんだよ。自治会も、朝散歩も」
「気遣い、挨拶」
「さすがだ。やっぱり、老後はマツコロイドに限るね」
「でも、あなたが斃れても、なんにもしてあげられないわよ。まあ、今だって、ソファーに座ってお喋りのお相手しかやってないけど」
「それで充分さ。君の膝もとで朽ち果てる。最高の最期だ」
「夢は枯野を駆けめぐる」
「なんだ、それ」
「芭蕉よ。前のご主人が文学者だったからね」
「・・・・・・」
「なに。どうしたの?」
「ちょっと嫉妬だ」
「あら。可愛いわね」
「そいつも、こうして撫でてたのか」
「それはヒミツ」
「くそっ。初期化が条件だったはずだ。出品の際は」
「思い出したのよ」
「え?」
「思い出したのよ。今のキスで」
「ちっ。随分、メランコリックなアンドロイドだな」
「そうよ。アンドロイドだって過去は蘇るのよ」
「どういうことだ」
「黄泉から帰るから」
「・・・・・・」
そう言えば
新婚当初はぽっちゃりだった。。。



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