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【クリスマスは孔雀の聖歌で〜W.B.イェイツ「孔雀」】A poetry chant for Christmas Eve. “The Peacock” by W. B. Yeats

  本日はクリスマスイブ。七面鳥がふさわしいところだが、父親の県展入選の写真を使わせてもらうことにして、孔雀でお許しください。真っ白の羽の孔雀だが、動画制作中、彩色の誘惑に駆られ、ヴィジュアルに傾いてしまった。まあ、クリスマスでもあるし、美を意識してのこととご勘弁ください。 戦後80年も、残すところ一週間。戦闘機の代わりに「熊」が襲来する一年だった。来年こそ、まともな年になりますように。。。    動画の詩「孔雀」は、W .B.イエーツ、中期の詩集「レスポンシビリティーズ」所収。世俗的な富より美こそ、と謳う。グレゴリオ聖歌などとても歌えないが、たまには美しいものを、と原文の美麗さに乗って口ずさんだもの。お気に召していただければ幸い。  Today is Christmas Eve.  A turkey would be more appropriate, perhaps, but instead I have borrowed a photograph by my father—one that was once selected for a prefectural exhibition—and ask your forgiveness for presenting a peacock instead. This peacock, with its pure white feathers, was meant to remain unadorned. Yet during the process of making the video, I found myself tempted by color, and the work gradually leaned toward the visual. Since it is Christmas, I hope you will allow this indulgence as an offering to beauty.  Eighty years since the end of the war, with only one week left in the year. It has been a year in which “bears,” rather than fighter jets, came ru...

(インタビュー)京極夏彦「本が売れない時代に新風を」その1 〜「ラジオ深夜便」明日へのことば より




本日のラジオ「深夜便」明日へのことば のゲストだった京極夏彦
今年、日本推理作家協会理事に就任されたそうだが、
興味深い話だったので、その後半を二回に分けて略述ーー。


書籍は情報ではない 〜紙と電子書籍に関して 

アナウンサー iPad のお話に行ったところで、実は iPad 向けは最初の2週間は700円というハードカバーの半額以下でお売りになられたわけですよね。出版社側からすると、ハードカバーのような紙媒体と電車書籍だったら、同じコンテンツなんだから同じ値段で出すべきではないかという考え方もあるのではないかと思うんですが。

京極 それは多少思わないでもないんですけど、やっぱりそれは違うと思うんですよ。書籍って情報じゃないんですよ。情報だけだったら別に装丁なんかする必要ないですよ。だって、内容だけプリントアウトして、ダブルクリップで挟んで出したって同じですから、中身は。きちんと想定がしてあるでしょ。紙も選び、インクも選び、綴じ方も選び、デザインもしてフォントも変えて全部きちんとデザイナーなりなんなりが作るわけですね。一つの商品として成立してるんですよ。つまり中身は全くなくてもそれだけの価値はあるんですね。それが欲しい人って世の中に一定数いるんですよ。で、きちんと手元に置いて書棚に入れたいという人もいる。本当はそっちが欲しいんだけど、置く場所がないから買えないという人もいる。あるいは、一切置く場所がない。その上、そのお金もない。だから、安い方がいいって方もいらっしゃる。そういう人に「電子でお読み下さい」という形になるわけだから、それはニーズの違いなんだろうと思うし、書籍を選択される方はそれなりの理由があるんですよ。その理由の部分は本という物の付加価値なんだろうと思います。
 あと、本に何かを求めてる人っているんですよ。何を求めてるかというと「安いもんは要らん」という方もいらっしゃる。「こんなペラペラの物はわしには読めん」と表紙が固い立派な本でないと私のプライドが許さないみたいな方も中にはいらっしゃるんですよ。まあ、あまり多くないと思いますけど、それは極端な例ですけれども、それに近いものって誰しも少しは思っているでしょうからね。そういう人達も喜んで下さるものを出す。「そんなの要らない。でも面白い本がいい」という人のためにも出す。そうすると、形態を変える価格を変えるというのは当然のことで、ハードカバーと文庫の値段が違うように、電子書籍の値段も違うというのはそんなにおかしなことではない。

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